外出先から帰宅して家の鍵を取り出そうとしたとき、「鍵がない!」と焦る人は意外とたくさんいます。
外出先に忘れた、あるいは帰宅の道中で落としたことにより鍵が紛失してしまうのです。
このとき、賃貸マンションやアパートの鍵を紛失してしまうと、自分だけの問題ではすまないので早急に対処する必要があります。
ただ、「賃貸住宅の鍵の紛失後にはどんな問題が発生する?」「どう対処すればいいの?」と悩まれる方もいるでしょう。
そこで、賃貸マンション・アパートの鍵を紛失して起こる問題と、どのように対処すべきなのかを解説していきます。
賃貸マンションやアパートの鍵紛失時に取るべき行動
賃貸マンションやアパートの鍵を紛失したことに気が付いた際、すぐに行動することが重要です。
なぜなら、時間の経過とともに鍵を見つけることが難しくなるからです。
なお、賃貸住宅の場合は「賃貸借契約書」に「鍵の紛失について」の記載のあることがほとんどです。
そのため、「黙っておこう…」「合鍵があるからいいか…」などと自己判断で対処すると、契約が解除され退去を求められることもあります。
こうしたことを防ぐために、鍵を紛失したときは迅速に適切な対処が必要です。
そこで、鍵を紛失したときにとるべき対処行動についてご紹介していきます。
自分の行動を振り返って身の回りを探す
まず、最初に取るべき行動は、本当に鍵を紛失したかどうかの確認です。
例えば、鍵をなくしたと思っていても、実際は普段と違う箇所に入れていたケースは少なくありません。
また、ポケットやカバンの奥底に隠れている場合もあります。
そのため、鍵の紛失に気が付いたときは身の回りから探すことが重要です。
具体的には、衣服のポケット、カバン、財布の中を探すと紛れ込んでいるケースがあります。
あるいは、車、バイクを使用していた場合は、隅々まで探すと鍵が出てくることもよくあります。
鍵の紛失日に立ち寄った場所を探す
1日の行動を見直し、立ち寄った場所を探すことも重要です。
具体的には、スーパー、コンビニ、飲食店、駅構内、遊園地など、心当たりのある場所をすべて探してみるのです。
このとき、偶然鍵を拾った人がいるかもしれません。
なので、従業員の方に「鍵の落し物がありませんでしたか?」と尋ねると、鍵が保管されていることもあります。
大家さん・管理会社へ連絡する
身の回りや立ち寄った場所を探すも鍵が見つからなかった場合は、大家さんもしくは管理会社へ連絡する必要があります。
なぜなら、賃貸住宅では入居時に交わす「賃貸借契約書」や「入居者管理規約書」に、鍵の紛失についての記載があるからです。
例えば、私が契約している賃貸マンションの「賃貸借契約書」及び「入居者管理規約書」には、以下のような文面にて記載されています。
鍵を紛失した際は、防犯及びトラブル防止のため、貸主及び管理者では住居扉の開閉は一切行いません。 又、鍵を紛失した場合は以降のご入居者の防犯安全のため、ご入居者の費用負担にて新しいシリンダー(鍵本体)に取り替えていただくこととなりますので、速やかに貸主又は管理者にご連絡ください。 |
このように、賃貸マンションやアパートを借りる際に契約した「賃貸借契約書」や「入居者管理規約書」には、「鍵の紛失について」の記載がされています。
そのため、契約書をよく確認したうえで、連絡が必要な場合は大家さん、あるいは管理会社に連絡することが重要です。
なお、場合によってはマスターキーにて扉を開けてくれることもあります。
警察へ遺失届を提出する
賃貸マンションやアパートの鍵を紛失した際は、警察に遺失届を提出しておくことも大切です。
例えば、紛失した鍵を拾い、親切にも交番に届けてくれることがあるからです。
このとき、「落とし物・忘れ物」として届けられた拾得物件は、遺失届を提出していると警察より連絡が入り返還してくれます。
遺失届は最寄りの警察署、交番にて用紙をもらうことができ、提出することで受理してもらえます。
また、地域によっては電話・インターネットからでも遺失届を受理してもらうことができるので、お住まいの警察ホームページで確認をしてみてください。
なお、遺失届には以下の情報を記入する必要があります。
- 氏名
- 住所
- 遺失日時
- 遺失場所
- 現金・物品
詳しくは、警視庁が掲載する「遺失届出書 記載例・注意事項」にて、遺失届の記入方法を確認することができます。
■保存期間は3ヵ月!遺失届は早めに提出すること
なお、警察に届けられた拾得物件の保存期間は3カ月間です。
もし、この期間内に遺失者が判明しなければ返還を受けることができません。
そのため、鍵を紛失した際は早めに遺失届を提出し、連絡を受けた際も早めに引き取りに行くことが重要です。
早急に鍵を開けたいときは鍵屋さんに依頼する
紛失した賃貸マンションやアパートの鍵を探すにしても、「まずは家の鍵を開けたい!」と思うかもしれません。
そうしたとき、貸主である大家さんや管理会社へ連絡することで、扉を開けてくれることがあります。
ただ、私が契約している賃貸マンションのように、「貸主及び管理者では住居扉の開閉は一切行いません」と記載されている場合は、対応してもらえない可能性もあります。
そのため、どうしても鍵を開けたい場合は鍵屋さんに依頼をして、鍵を開錠してもらいましょう。
なお、鍵屋さんに鍵の開錠を依頼するときも、大家さん又は管理会社へその旨を伝えることが重要です。
なぜなら、許可なく勝手に鍵を開錠すると、契約違反に該当して退去を求められることがあるからです。
こうしたことを避けるために、必ず管理者の許可を得てから鍵の開錠を依頼する必要があります。
鍵屋さんへの依頼には身分証明書が必要
なお、鍵屋さんに鍵の開錠を依頼するときには、住居が確認できる「身分証明書」が必要です。
これは、「本当に住居者なのか」の確認をとるとともに、犯罪やトラブルに繋がる可能性を避けるために行なわれます。
そのため、写真付きの運転免許書やマイナンバーカードで身分を証明し、ない場合は警察立ち合いのもと作業を行なってもらう必要があります。
賃貸マンション・アパートの鍵紛失による鍵交換の費用はだれが負担?
賃貸マンションやアパートの鍵を紛失したとき、鍵交換が必要なこともあります。
これは、あなたと同じ賃貸住宅に住んでいる入居者が、犯罪及びトラブルに巻き込まれないための処置が必要となるからです。
ただ、「鍵交換の費用負担はだれなの?」「保険は適用される?」などと悩まれる方がいるかもしれません。
そこで、賃貸マンションやアパートの鍵紛失による鍵交換の費用負担。
そして、保険は適用されるのかなどの疑問についてご紹介をしていきます。
鍵紛失による費用負担は基本的に借主がする
入居者管理規約書に特別な記載がない限り、鍵紛失による鍵交換は借主が負担をすることになります。
例えば、国土交通省が定める「現状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の21ページでは、鍵交換について以下のように記載しています。
●鍵の紛失、破損による取替え
引用:現状回復をめぐるトラブルとガイドライン
(考え方)鍵の紛失や不適切な使用による破損は、賃借人負担と判断される場合が多いものと考えられる。
こうしたこともあり、賃貸マンションやアパートの鍵を紛失した際の鍵交換の費用は、借主が負担をすることが一般的です。
なお、賃貸住宅の場合は鍵の紛失に関係なく、住居者が代わるたびに鍵交換は行われます。
このとき、鍵を紛失していなければ、貸主が鍵交換の費用を負担することが一般的です。
●鍵の取替え(破損、鍵紛失のない場合)
引用:現状回復をめぐるトラブルとガイドライン
(考え方)入居者の入れ替わりによる物件管理上の問題であり、賃貸人の負担とすることが妥当と考えられる。
ただ、ガイドラインはあくまでガイドラインでしかなく、法律ではないため法的強制力がありません。
そのため、詳しい鍵交換の費用負担については大家さんに相談することが重要です。
すぐに確認!火災保険が適用できる可能性あり!
賃貸マンションやアパートの鍵を紛失した際の鍵開け・鍵交換を依頼すると、費用は自己負担になってしまうことがあります。
このとき、鍵の種類によっては高額になる可能性も否定できません。
そうしたとき、賃貸契約を結ぶ際に加入する火災保険の特約に、鍵開け・鍵交換などのサービスが付いていると、一部費用を負担してくれる可能性があります。
例えば、私は賃貸マンションの契約時に、AIG損保の火災保険に加入をしました。
そして、以下のドアロックに関する補償が付いています。
ドアロック交換費用補償特約
保険証券記載の住宅のドアのかぎが日本国内で盗難された場合において、被保険者がドアロックの交換に必要な費用を負担した場合お支払いする保険金
引用:AIG損保 リビングパートナー保険
ドアロックの交換のために、実際に支出した費用
[1事故につき3万円限度]
このような、鍵に関する特約のある火災保険会社があるので、可能であれば鍵屋さんへ依頼する前に確認することが重要です。
オートロック式の賃貸マンション・アパートだと対処が大変
賃貸マンションやアパートに限らず、分譲でも共有玄関にオートロック式の鍵を採用していることは少なくありません。
このとき、オートロック式の鍵を紛失してしまうと、あなただけでなく他の入居者にも危険が及ぶ可能性があります。
つまり、紛失した鍵が悪用されると共有玄関の扉を開けて建物内に侵入されてしまうのです。
そのため、鍵紛失時はあなたの部屋だけでなく、マンションやアパートすべての鍵交換の費用を請求されてしまう可能性もあります。
なお、オートロック式マンションの鍵を紛失してしまった方の事例があるので、以下にてご紹介をします。
オートロック式のマンションの鍵を紛失して、多額な弁償金を請求されそうになっています。 鍵は第三者に渡ると共用部分に入れる状況になるので、セキュリティ上、マンション全ての鍵をシリンダーごと替える必要があると言われました。 ちなみにマンションには50室くらいあるので、交換費用は数十万円~百万円程と考えられます。 確かに紛失した私が悪いのは重々承知しています。ただ、鍵1本紛失してこの代償は理不尽だと考えてしまうのです。 ちなみに、マンションの契約書には鍵紛失時はシリンダーごとの交換とは書いてあるものの、全部屋のシリンダーを替えるとは書いてはいません。 また、値段も一切記載されていません。 もし、また誰かが鍵を紛失したとしたら、またマンション全ての鍵を替えるのでしょうか? こうしたことを考えると、納得できません。 |
このように、オートロック式のマンションの鍵を紛失して、多額な弁償金を請求されそうになっている事例も存在するのです。
大家さんや管理組合と交渉してみる
ただ、個人で数十万円~百万円の費用を負担できる人はそう多くなく、現実的でもありません。
そうしたとき、大家さんや管理組合に交渉して高額負担を免れることができる場合もあります。
現実的な話、オートロック式の賃貸住宅に住んでいて、鍵を紛失したことのある人は少なからずいるはずです。
このとき、もし鍵を紛失した一人ひとりに毎回高額な鍵交換の費用を請求していては、メディアを通して問題となっているのではないでしょうか。
また、高額な請求がされるとなると返って報告はせず、合鍵を作ってごまかそうとする人が出てきてセキュリティーを維持できません。
そのため、大家さんや管理組合も考慮してくれる場合が多いのです。
なので、まずは大家さんや管理組合の代表と話し合うようにしてみてください。
それでだめなら、消費生活センターに相談することも重要です。
紛失した賃貸マンションやアパートの鍵が見つからないときにする対処
賃貸マンションやアパートの鍵を紛失したとき、放置してしまうと様々な問題が発生してしまいます。
そのため、鍵がないことに気が付いたときには可能な限り探すことが重要です。
ただ、どうしても見つけることができない可能性もあります。
そうしたとき、どのような対処をすればいいのかをご紹介していきます。
悪用される前に大家さんや管理会社に相談して家の鍵を交換する
まず最初にすべきことは、紛失した鍵を悪用されないように対処することが重要です。
例えば、紛失した鍵が悪用されると、侵入盗や犯罪被害に発展することも考えられます。
そのため、悪用されることを防ぐために、大家さんや管理会社に必ず連絡をし、家の鍵交換について相談してみましょう。
勝手に鍵交換をすると問題ですが、許可を得ることができれば対処することができます。
鍵開け・鍵交換による一般的な費用相場
気になる鍵屋さんに鍵開け・交換を依頼したときの費用ですが、これは鍵業者によって大きく異なってきます。
ただ、一般的な費用相場は以下の通りです。
鍵開け | 8,000円~ |
鍵交換 | 11,000円~ |
鍵作成 | 10,000円~ |
上記はあくまでも一般的な鍵屋さんの最低料金であるため、状況に応じて高くなっていきます。
また、依頼する時間帯、出張費、取り替えたい鍵の種類などでも料金が高くなるので注意が必要です。
なお、「どこの鍵屋さんに依頼すればいいのか分からない!」と悩まれている方は、本記事の最後でご紹介をしている鍵屋さんを参考にして選んでみてください。
賃貸の鍵を紛失したら犯罪利用される前に鍵交換をする
賃貸マンションやアパートの鍵を紛失してしまったら、まずは落ち着いて身の回りや立ち寄った場所を探すことが重要です。
このとき、見つからなければ大家さんや管理会社に連絡し、どうするべきかと相談してみましょう。
また、落とし物として交番に届けられることもあるので、遺失届を提出しておくことも大切です。
鍵を紛失したままだと悪用される恐れがあり、あなただけでなく同じ賃貸住宅に住む住居者にも危険が及ぶ可能性もあります。
そのため、必ず大家さんや管理会社へは連絡して相談し、家の鍵を交換しておくと安心です。
鍵のトラブルを解決するために鍵屋さんへ依頼する際、ネットで検索すると数多くの鍵業者が表示されます。
このとき、鍵屋さんによって到着するまでの時間、技術力、料金、対応の仕方などは大きく異なるので、適当に依頼すると失敗する可能性が非常に高いです。
そのため、よく確認をした上で依頼する必要があります。
しかし、確認してもどの鍵屋さんへ依頼するべきかと悩まれる方は少なくありません。
そこで、以下のページでは、鍵トラブルが発生した際に安心して依頼できる鍵屋さんを詳しくご紹介しています。