防犯への意識や設備が充実してきたことから、近年では侵入盗による被害件数が年々減少をしています。
しかし、侵入盗の被害件数が減少傾向にあるだけで、完全に発生していないわけではありません。
現在でも侵入盗による犯罪は確認されており、未だ多くの住宅が被害に遭っているのです。
特に、一戸建て住宅や共同住宅は狙われやすく、住人の隙を見て玄関扉を開錠して侵入し、金品等がよく盗まれています。
そのため、侵入盗や犯罪から家や自分・家族を守るためにも、しっかりとした防犯対策をして備えることが重要です。
そこで、侵入盗や犯罪被害に遭う確率を下げるために、防犯性に優れた玄関鍵についてご紹介をしていきます。
「防犯性の高い鍵に交換したい!」「古い鍵だから交換した方がいいかも」などと考えられている場合は、ぜひチェックしてみてください。
防犯性の低い玄関鍵の特徴
侵入盗とは、「空き巣、忍込み、居空き」などを総称した言葉となりますが、このうち最も多い侵入窃盗の手口が「空き巣」です。
なお、冒頭でもお伝えした通りで、一戸建て住宅や共同住宅は非常に狙われやすく、そして多くの空き巣被害が確認されています。
このとき、どのような一戸建て住宅や共同住宅が空き巣被害に遭いやすいのでしょうか?
窃盗犯によって、空き巣を行うかどうかの判断は異なりますが、「玄関鍵の防犯性が低いかどうか」を一つの決め手としている可能性があります。
なぜなら、ピッキングがしやすいからです。
防犯性の低い玄関鍵は、窃盗犯にとってピッキングがしやすいため、空き巣被害に遭いやすい傾向にあります。
そのため、該当する場合は早急に対策をすることが重要です。
ただ、防犯性の低い玄関鍵とはどのようなものかと悩まれているかもしれません。
そこで、防犯性の低い玄関鍵の特徴をご紹介していきます。
シンプルな構造の鍵
左:ディスクシリンダー 右:ピンシリンダー
まず、防犯性の低い玄関鍵に該当するのが、シンプルな構造で作られた鍵です。
具体的には、「ディスクシリンダー」や「ピンシリンダー」が該当します。
この二つの鍵は、構造がとてもシンプルであることから、素人でも少し練習すれば、ピッキングによって玄関鍵を開錠することが可能と言われています。
なお、技術を持った者であれば1分以内で解錠することも可能なようです。
特に、ディスクシリンダーは防犯性が非常に低いので注意が必要です。
ディスクシリンダーは、1970年代に生産が始まった当時の最先端の鍵であり、全国的に普及しました。
ただ、海外からの犯罪者によってピッキングによる被害が広がった過去があり、防犯性に問題のある鍵とも知られています。
そのため、ディスクシリンダーやピンシリンダーの鍵が玄関に使用されている場合は、防犯性の高い鍵に交換した方が安全です。
ワンドア・ワンロック
一つのドアに一つの鍵しか付いていない、「ワンドア・ワンロック」も防犯性が低いと言えますね。
侵入窃盗犯の多くは、極力時間をかけずに侵入したいと考えています。
このとき、シンプルな構造で作られた鍵が一つだと、開錠までの時間がさほど必要ではないため空き巣の被害に遭う可能性が高いです。
そのため、玄関鍵を2つ以上付けていると開錠までに必要な時間も長くなるため、空き巣の被害に遭う可能性を低くすることができます。
長年使用している鍵
長年使用している鍵の場合、防犯性に問題のある可能性が高いので注意が必要です。
特に、古い鍵ほどピッキングによって容易に開錠ができてしまうため、空き巣の被害に遭いやすいと言えます。
なお、一般的な鍵の寿命は10年といわれており、それを超えると経年劣化によって壊れる可能性があります。
すぐに壊れなくても、徐々に「鍵を回しづらい」「抜き差しがしにくい」などが起こり、最後には欠けたり折れたりして壊れてしまうのです。
もちろん、定期的なメンテナンスを行うことで鍵を長持ちさせることは可能です。
ただ、あまりにも古い鍵は窃盗犯に狙われやすくなるので、防犯性を高めるために思い切って交換することも重要です。
防犯性に優れた玄関鍵の条件
上述でご紹介をした、「防犯性の低い玄関鍵の特徴」に該当する場合、侵入盗の被害に遭う可能性は高いと言えます。
そのため、自宅の防犯性を高めるために、最も人が出入りをする玄関扉の鍵に安心できる対策を施すことが重要です。
つまり、防犯性に優れた玄関鍵に交換をすることで、侵入盗の被害に遭う可能性を低くすることができます。
なぜなら、空き巣を目的とした窃盗犯の多くは侵入に手間取ることを嫌うからです。
具体的に、侵入窃盗犯は侵入に5分かかると約7割が諦め、10分以上かかるとほとんど諦める傾向にあると言われているのです。
そのため、自宅に侵入を許すには10分以上の時間を必要とする玄関鍵を取り付けることで、空き巣の被害に遭う可能性を低くすることができます。
そこで、どのような条件に当てはまれば、防犯性に優れた玄関鍵と言えるのかについてご紹介をしていきます。
ディンプルキーは防犯性が高い
まず、防犯性に優れた鍵に該当するのが「ディンプルキー」です。
ディンプルキーは侵入盗対策を目的として作られた鍵で、2000年代前半から普及しだしました。
従来のようなギザギザした作りではなく、凸凹(デコボコ)した作りになっているのが特徴です。
デコボコしたへこみが非常に複雑な構造であるためピッキングに強く、防犯性にとても優れています。
ちなみに、ディンプルキーは複雑な構造によりピッキングに強いのですが、それ故に合鍵を作るのが困難な鍵でもあります。
比較的作りやすい構造のディンプルキーであれば、約1時間ほどで合鍵を作ってもらうことは可能です。
ただ、中には構造が複雑すぎて鍵屋さんでも合鍵を作ることができず、メーカーに問い合わせて注文しなければならないこともあります。
しかし、防犯性にはとても優れた鍵ではあるので、玄関扉に取り付けると大きな役割を果たしてくれます。
CPマークが付いていると防犯性に優れている
出典:警察庁 住まいる110番
CPマークとは、平成16年5月に公表された、「防犯性能の高い建物部品」に付けられるマークです。
CPマークの付いた建物部品は、「防犯性能が高い部品である」と官民合同会議に認められています。
そのため、CPマークが付いている鍵を玄関扉に取り付けると、防犯性に優れているので大きな役割を果たしてくれます。
なお、CPマークは「Crime prevention=防犯」の頭文字である「C」と「P」をシンボル化したマークとのことです。
ワンドア・ツーロックの扉
一つの扉に鍵が2つ以上ついている、「ワンドア・ツーロック」も防犯性に優れています。
もし、ドアに1つしか鍵が付いていないと侵入盗の被害に遭う可能性があります。
それに比べ、2つ以上鍵が付いていると「ピッキングに時間がかかりそうだ…」と思わせることができるので、侵入盗の被害に遭う可能性を低くすることが可能です。
そのため、1つしか玄関扉に鍵が付いていない場合は、補助錠をもう一つ取り付けると防犯性が高くなります。
ディンプルキーを提供している主なメーカーと防犯性に優れた鍵
ディンプルキーは防犯性に優れているので、玄関扉に取り付けることでピッキングによる侵入盗を抑制することができます。
ただ、どのようなメーカーがディンプルキーを製造し、どのような種類があるのかと悩まれているかもしれません。
そこで、ディンプルキーを製造している主なメーカーと一部商品を、以下にてご紹介していきます。
MIWA(美和ロック)「PR-Jシリンダー」
出典:美和ロック 公式サイト
錠前や鍵を製造する大手メーカーの、美和ロックが提供する商品の一つ、「PR-Jシリンダー」です。
複雑な形状で作っていることから、ピッキングが非常に困難な仕組みとなっています。
具体的には、耐ピッキング性能は10分以上と優れものです。
さらに、シリンダー内には高硬度部品を使用しているので、ドリルにも高い抵抗力が備わっています。
なお、昼間は太陽を蓄積し、夜間は発光する蓄光素材を使用しているので、外灯がなく暗い場所でも安心して鍵の抜き差しが可能です。
CP認定もされているシリンダーであるため、防犯性に優れた商品です。
GOAL(ゴール)「V18シリンダー」
出典:GOAL 公式サイト
錠前や鍵を製造する老舗メーカー、GOAL社が扱う商品の一つ、「V18シリンダー」です。
CP認定試験、米国UL防犯認定試験によって認められた防犯性の高い鍵で、120億通りの鍵違いによって作られています。
さらに、強い防犯設計のもと作られているので、耐ピッキング性能は10分以上あり、耐鍵穴壊し性能も10分以上と優れものです。
ピッキングや鍵破壊に時間のかかる強い鍵なので、玄関扉に取り付けることで、侵入盗の被害に遭う可能性を下げてくれます。
KABA(カバ)「kaba ace」
出典:dormakaba 公式サイト
世界中に高いシェアを持つKABA社が、利便性とコストパフォーマンスを追及して作った「kaba ace(カバエース)」です。
集合住宅、オフィス、施設などで取り付けることができ、防犯性能はとても優れています。
具体的には、耐ピッキング性能は10分以上と非常に高いです。
このとき、耐鍵穴壊し性能は5分未満ではありますが、侵入窃盗犯は時間のかかる面倒な鍵は嫌う傾向にあるので、防犯性として十分効果が見込めます。
なお、kaba aceのディンプルキーは、全国認定店(kaba ace認定店)にてスペアキーの作成が可能です。
玄関鍵以外にできる防犯性に優れた対策
防犯性に優れた玄関鍵に交換することで、侵入盗の被害に遭う可能性を低くすることは可能です。
ただ、侵入盗を行おうとする犯罪者は玄関だけでなく、別の個所から侵入することを考えるかもしれません。
そうしたことを防ぐために、できる防犯対策をしておくことが重要です。
そこで、自宅に侵入されることを防ぐためにできる、防犯対策をご紹介していきます。
センサーライトを付ける
侵入窃盗犯の中には、人が寝静まる夜の時間帯を狙って行動をします。
人に気づかれることの少ない夜を狙って侵入を試み、金品などを盗むのです。
このとき、侵入される恐れのある箇所に「センサーライト」を取り付けると、侵入窃盗犯を躊躇させることができます。
なお、センサーライトは動く物体や熱量に反応して自動的に電源が入り、一定時間ライトで照らしてくれる防犯グッズの一つです。
暗く人の少ない時間帯の夜に行動する侵入窃盗犯にインパクトを与えることができるので、防犯効果が期待できます。
ダミーの防犯カメラを付ける
侵入される恐れのある個所に、ダミーの防犯カメラを取り付けると、侵入窃盗犯は映ることを恐れて近づくことを嫌がります。
そのため、一定の防犯効果が期待できるグッズです。
ただ、作りの悪い低価格なダミー防犯カメラや設置個所が不自然な場合は、侵入窃盗犯にダミーだと気付かれる可能性があり、逆効果となることもあります。
そのため、ダミー防犯カメラを取り付ける場合はしっかした作りの物を選び、屋外の人が出入りできる場所の壁に取り付けると威嚇効果を得られます。
窓ガラスに補助錠を付ける
空き巣の侵入方法の一つに、「ガラス破り」の手口があります。
ガラス破りとはその名の通り、ハンマーなどを使用してガラスを割り、窓の鍵を開錠して侵入する手口です。
このとき、窓用の補助錠を取り付けることで、ガラス破りによって鍵を開錠されても侵入を防ぐことができます。
ただ、全体的にガラスを割られてしまうと侵入される可能性が高いです。
この場合は、防犯ガラスを導入しておくと、ガラスが割れにくくなるので空き巣被害に遭いづらくなります。
庭に砂利を敷く
自宅の庭に砂利を敷くことが可能であれば、防犯対策としては効果的です。
例えば、砂利には防犯に特化した種類があり、歩くと「ジャリジャリ」と大きな音が響くので、防犯効果を高めることができます。
人目の付きにくい場所に敷いておくと、空き巣対策としての効果が期待できますよ。
安全確保のために防犯性に優れた玄関鍵などを取り付け対策する
侵入盗の被害件数は年々減少の傾向にあるものの、完全にはなくなっていません。
そのため、油断をしていると空き巣などの被害に遭い、金品を盗まれる可能性があるのです。
また、金品だけでなく、「自宅に不法侵入された…」との精神的ダメージも受けてしまいます。
こうしたことを避けるために、防犯性に優れた玄関鍵への交換を含め、その他にできる対策を講じることが重要です。
なお、玄関鍵の交換は知識があれば自分でも行うことは可能ですが、中には難しい種類も存在します。
このとき、無理に取り付けをしようとするとドアを破壊してしまう可能性があるので、自信のない場合は鍵屋さんを頼ると、プロの作業員が迅速に交換してくれます。
そして、防犯性の高い鍵へと交換したい旨を伝えると、数ある中から最適な鍵を提案してもらうことも可能です。
防犯性に優れた玄関鍵へ交換すると、侵入盗の被害に遭う確率を下げることができますので、本記事を参考に検討してみてください。
鍵のトラブルを解決するために鍵屋さんへ依頼しようとしたとき、ネットで検索すると数多くの鍵業者が表示されます。
このとき、鍵屋さんによって到着するまでの時間、技術力、料金、対応の仕方などは大きく異なるので、適当に依頼すると失敗する可能性がとても高いです。
そのため、よく確認をした上で依頼する必要があります。
ただ、確認してもどの鍵屋さんへ依頼するべきかと悩まれる方は少なくありません。
そこで、以下のページでは鍵トラブルが発生した際に、安心して依頼することのできる鍵屋さんを詳しくご紹介しています。